【身体のためのほっと一息シリーズ 82】

今回は「睡眠とガンの関係」についてです。

 

ワシントン大学の研究チームが、がんが血管リンパ管を通じて転移していると診断された女性患者2万1230人を調べた研究で、

 

がんと診断される以前の短い睡眠時間、高頻度のいびきは、特に乳がんの生存率と関連していることが分かりました。

 

がん細胞ができる原因は遺伝子のミスコピーです。

 

体の細胞は日々、新しく作られています。

しかしこの細胞が作られる過程で、たまに遺伝子のミスコピーが起きます。

 

遺伝子のミスコピーは珍しいことではなく、ミスコピーは日々起こり、がん細胞などの異常な細胞が作られているのです。

 

この異常な細胞を排除するのが免疫系です。

 

免疫系は体外から入ってくる細菌やウイルスなどの微生物を異物として認識し、体内から排除します。

 

この作用はがん細胞も同様に排除します。

がん細胞は永遠に分裂する性質があります。

 

免疫系が活発に働いていれば、がん細胞が増殖するスピードよりも、免疫系ががん細胞を排除するスピードが早いため、

がん細胞は全て排除され、がんになることはありません。

 

寝不足がうつ病や自律神経失調症などの精神疾患や肥満などを引き起こすことは知られていますが、

さらに、がん細胞を排除する免疫系の働きも弱めてしまいます。

 

私たちの体は日中活動している時は交感神経が優位になり、夜眠るときは副交感神経が優位となります。

 

副交感神経の支配を受けている睡眠時に免疫に関わる細胞群は増殖・活性化するのです。

 

したがって良質な睡眠は、免疫力を高めるのにとても大切です。

 

一方で、不規則な生活が原因で交感神経から副交感神経への切り替えがうまいかなかったり、それによって寝不足を招いたりすると、免疫系の働きが弱くなります。

 

その結果、がんを引き起こしやすくなるのです。

 

睡眠と女性の乳がんとの関係を調べたワシントン大学のチームの研究では、睡眠に障害がある人では乳がんの治療後の回復が進まないのです。

 

がんは高齢者に多い病気だが、高齢になるほど遺伝子のミスコピーの確率が高くなることや、免疫力が低下することが原因で発生します。

 

実は高齢者に多い認知症も同じような原因で発生する病気なのです。

 

脳の免疫系・代謝系の機能が低下し、異常なタンパク質が脳に蓄積します。

 

高齢者では睡眠障害の割合が高いことが知られており、そのことが、がんや認知症などの病気と関係しているのかもしれません。

 

ここまでは、現代医学的な解釈ですが、ここからは東洋医学的な解釈も入れてお話しします。

 

身体は熱の影響で不調になることが多いです。

 

熱が体に溜まると、頭はぼーっとしてきて、体の働きはスッキリとせず、痛みやしびれ、かゆみが出てきます。

 

がん細胞は強い熱の性質があり、体の熱が溜まってきたことにより発症することが多いです。

 

免疫系の働きが悪くなるとがん細胞になりやすいと言われますが、免疫系は腎臓の経絡に関係が深く、腎臓は体の熱を冷ます効果があります。

 

つまりがんになる前に、腎臓が弱くなり熱が排泄されなくなることが根本的な原因なのです。

 

なんでも原因があり結果があります。

 

腎臓の経絡を滞らせて、腎臓を悪くすることを日常的な生活習慣でされている方はガンになりやすのです。

 

がんだけではなく、心臓病、脳梗塞、パーキンソン病なども体内に熱が溜まって発症します。

 

腎臓を回復させる生活習慣の改善は当院で紹介しています。ぜひご来院ください。