【身体のためのほっと一息シリーズ 64】

マラソンは体調管理が大事③

 

マラソンのレース中に急死するという事故が増えています。

 

1992年〜2011年8月までの間に開催された国内のマラソン大会で、127名のランナーに心臓が止まってしまうという事故が起きておます。

 

多くの場合、死因は「急性心筋梗塞」です。

 

以前、福知山マラソンでおなくなりになった男性の例をあげてみます。

 

50代の男性で、マラソン歴20年。健診では異常がなかったそうです。

 

日頃からスポーツが好きで、週2回走っていました。喫煙の習慣はありませんでした。

 

体型も若いときと変わりませんでした。

 

当日の気象は「曇り、気温7℃、湿度71%」正午には14℃に上昇しました。

 

コースはほぼ平坦。大会には医師が3名、そして救護士も配置れていました。

 

この男性の場合は、フルマラソンの参加頻度がおおく、9月から毎月連続して参加しています。

 

走っている方には、おわかりと思いますが、フルマラソン大会は練習とは異なるストレスがかかります。

 

また、大会の前日おそくまで仕事をしていて、睡眠が十分にとれていませんでした。

 

スタート前に「走り始めると胸が痛むことがある」と他のランナー話していたらしいのですが、これは重大なサインであったとおもいます。

 

胸に痛みを感じるときは、それは心臓への虚血(貧血のようなもの)を意味します。

 

痛みは、心臓へおくる血管の流れが悪くなりそのために、細胞に血がいかないことです。

 

ところが、35キロ付近で足に痛みが出て、「38キロまでいったらストレッチしよう」とまわりのランナーに話しかけてたそうです。

 

突然倒れたのは、関門直後の37.8キロ地点で、そのとき心肺停止の状態であったそうです。

 

心臓の働きは限界があります。運動のしすぎは、心臓へ栄養の供給がされなくなり、心不全をおこします。

 

決して、高度の肥満ではないから、とか、日ごろから運動しているから、では予測できない事態です。

 

ウオーミングアップをすると心臓に一時的に血流がよくなり、心臓がすでにストレスで疲労していることを忘れてしまいます。

 

しかし、走る前に、いつもと違えば、フルマラソンをするには、リスクが高くなっています。

 

 

この福知山での男性の話では、何度か体調が悪いサインが体から出されています。

 

このサインのときに体の不調に耳を傾けていれば、マラソンで亡くなることはなかったのかもしれません。

 

私たちは普段自分の体に起こったことは「まだ大丈夫」「明日には良くなる」とかを考えがちです。

 

実はこれは、心筋梗塞や脳梗塞にかかってしまいやすい方の考え方なのです。

 

体は本来敏感なもので、きちんと私たちに病気があることを知らせてくれています。

 

そのサインが痛みや体のコリなのです。

 

これを無視していくと、体は病気のことを私たちに知らせなくなります。

 

そして病気だと気づいたときには、かなり病状が進行した状態で発見される・・・という事態になります。

 

当院の鍼灸治療は本人が病気になる前の状態である「未病」の段階で体にアプローチをします。

 

効果は「未病」という本人の意識に上がってこないようなところまで治療をしますので、最初はわかりづらいかもしれません。

 

しかし、何度か通っているうちに体が良くなったということを感じていただける方が多いです。

 

最近「肩凝りが・・」「疲れが抜けない」などの症状がある方は一度当院に来られてはどうですか?

 

体調が変わってきますよ。