【身体のためのほっと一息シリーズ⑩】

 

心臓だけではなくて内臓の状態によって不整脈が起こります。

 

前回、特定の時期に起こりやすい不整脈は、肺と胃腸の機能の失調が多いと書きましたが、さらに多くの患者さんが訴えているので、書き足しておきます。

 

不整脈は、古典で調べると結脈(けつみゃく)という名前で呼ばれ、その症状は脈が打っていたらたちまち止まり、脈が止まったところからまた脈が開始する症状です。

 

緩やかな脈で結脈があるのは、身体のエネルギーが低下している状態であり、脈が速くて結脈があるのは身体の体液の虚損であると言われています。

 

また、なぜそういう症状が起こるかというと、心臓だけでなく身体全体の毛細血管も含めての血管内壁の停滞が起きてるのだと考えられています。

 

緩やかな脈というのは、脈の形が緩々としてまるで川の流れが緩やかな状態と似ています。

 

細い柔らかいホースの中を水がゆったりと流れているところを指でつまんでみると、良く分かると思います。

 

心臓だけではなく、身体全身の血を巡らすエネルギーが低下している場合に起こり、特に胃腸の弱りが関与しています。

 

脈が速い状態というのは、単純に心臓に熱が籠っている場合と心臓が痙攣を起こす一歩手前の状態まで熱がきつくなり体液が消耗して弱っている場合とがあります。

 

どちらにせよ脈が緩く遅い場合よりは比較的予後が悪い場合があります。

緊急に症状が悪化する場合があり、注意が必要です。

 

しかし、脈が速くても、力強く打つ場合には身体の体液も十分にあるので、
抵抗力がしっかりしており、こういう場合には熱を冷ます治療を充分にやっても抵抗力を急激に失うことがないので、比較的治りやすいといえます。

 

また、リズムが不規則な場合と、規則的な場合とがあります。

これは、停滞している状態が、部分的であれば比較的規則的な不整脈として現れてきます。

 

停滞している部分が比較的広範囲な場合であったり、川の流れに例えれば、頑固な石みたいな状態であったり、泥みたいな状態であったり、泡みたいなレベルであったりと様々な形が入り混じっている場合だと考えられます。

 

不規則な不整脈は、難治性ではありますが、根気良く治療を続けることで、回復してくるものです。