【身体のためのほっと一息シリーズ②】

 

動悸についての様々なパターンについて考えてみました。


ひとくちに動悸といっても、寝ている時に起こったり、お風呂に入っている時に起こったり、昼間だけだったり、真夜中や明け方近くだけだったり、一日中だったりと様々なタイプがあります。


それぞれに理由があり、原因がいくつかあったり、ハッキリとわかる場合もあります。


他の症状もそうですが、心臓の症状は主に肝臓の働きと関係が深いので、肝臓の特徴をお話します。


肝臓は、全身の血液をストックしておく機能があり、血液を循環させる心臓と密接な関係があるのです。


血液は東洋医学での考えでは、夜になると氣を納めて、そのために寝ることが出来るとあります。


氣は元々エネルギーなので血が納めなければ、氣持ちが高ぶって眠れないわけです。


なので、もし血に滞りがあったり、何らかの熱が籠っている場合には、氣が血に収まるとかえって氣が滞ったり、熱を助長したりとなり、それが途中覚醒や動悸などの症状を引き起こす原因となります。


他にも夜に身体の節々が痛くなったり、腹痛などの痛みとなって現れる場合もあります。


そのため、こういう場合の対処としては、血の熱やォ血(滞った血)を取り除くことが第一とされます。


私たちが行う鍼灸治療では、ピンポイントで、この目的に沿った治療のみを行うために、身体への負担が軽く良い治療効果を挙げています。


特に真夜中2時頃に症状が起こる原因としては、肝臓の血をストックしておく機能の異常が最も考えられます。


動悸じゃなくてもこの時間に目が覚める人は多いと思いますが、目の疲れなどで肝臓が負担になっているのかもしれません。


朝方であれば、風邪を引いていたり、ひいていなくても身体の表面に冷えが停滞していたりすることが最も考えられます。


というのは、明け方は一日で最も気温が低く、身体に水分が停滞していて外氣が冷える季節になりエネルギーが不足しているなどの条件が重なりやすいからです。

 

夜中や朝方だけに起こる動悸などの症状について、前回説明しました。


それに対して、お昼間だけとか一日中とか、お風呂に入っている時だけというのはどういうわけでしょうか?


その答えは、全て氣というエネルギーの停滞のレベルによると言えます。


氣というのは全身をめぐっているわけで、内臓でいうと特に肝・胃腸・肺・腎の順番でそれぞれ関係が深いです。


もちろん心とも関係が深く、精神活動の源なので、最も関係が深いと言えます。


しかし、人によってその内臓の活動レベルは異なります。


例えば、食べ物に対してこだわりがあり、美食家になっている方は胃腸の活動が高くなるので、胃腸に氣が集まり消化されないほど食べた場合に胃腸の熱となり、胃腸の熱が心臓に経絡を伝わり動悸などの症状として現れてきます。


この場合は、昼間の2時から4時頃の一番暑い時間帯に症状が現れることが多いのです。


なぜなら胃腸は一番身体の中で熱がこもりやすい場所だからです。


お風呂に入っている時だけというのは、特に大きく肝や胃腸に熱がこもっているわけでなく多少ある時や、血にも目立って熱がない時で、肺や腎の失調がある時などに起こります。


肺や腎の失調というのは風邪をひきやすくなっている時に多いので、こういう場合には出た後に汗をすぐ拭いて、タオルを肩甲骨の背中の部分に入れてすぐ寝ましょう。発汗と共に症状が治まって行きます。


一日中、動悸をしている場合もたまにあります。こういう場合は、肝と胃腸の熱が慢性的に同時にあることが多いのです。


この状態が長引いていても、身体が平気な方もいます。こういう方は、身体が相当元気な方だと思います。


身体が疲れやすく弱ってくる方もいます。こういう方は、熱によって体液の消耗が著しいのです。


点滴をされると一時的に良くなります。

しかし、その根本的な原因は改善されていないのでまた繰り返すことになります。


治療法は、氣の滞りが余って熱となっている場合に対しては、その熱を冷まし、滞りだけの場合にはその疎通を促し、体液の消耗がある場合には身体が陰液(体液)を生成しやすいように身体を調整していきます。


私は、こういう風に動悸一つをとっても、様々な原因があると考えて、お話を伺っていきます。


心理的な要素がもちろん動悸には欠かせませんが、ここでは割愛させていただきました。


また、機会を見つけて書きたいと思います。