八月の養生法 心臓の症状 診断のつかない狭心症について

わずか7年前まで病気ではないとされていた激痛を伴う狭心症があることをご存知ですか?


この狭心症は、微小血管狭心症といって、昔からあるのですが、心電図やカテーテル検査でも異常が見つけることが出来ず、特に更年期の女性に多い疾患なのにも拘らず病気でないとされていました。


 

実際の症例を引用します。


 

《四九歳の女性、Yさん。2年前に、体の異変が始りました。朝方になるとなぜか、原因不明の息苦しさを感じるようになった。

 

自分で意識して吸わないと、息を吸えないことがあるくらいです。1ヵ月後、朝目覚めた時、胸のあたりに痛みを感じることが増えてきました。

 

ギュッと押される感じがします。


 

不安を感じたYさんは、心臓に何かあるのかと思い、病院を受診しました。でも、医師は、心臓には問題ないと診断。


 

しかし、3ヵ月後、症状はさらに悪化します。胸の痛みで目が覚めるまでになった。結局、原因不明の痛みと息苦しさで、仕事を辞めざるを得なくなってしまいました。》


 

心臓は大きな冠動脈という血管で栄養されていますが、心電図検査やカテーテル検査でわかるのはこの大きな血管だけなので一般的な循環器の病院では市民病院でも微小血管の狭窄まではわからないのです。

 

原因は、更年期によるエストロゲンの減少による心臓を栄養している微小血管の内膜の狭窄によるものだということが分かっています。

 

更年期の女性だと、微小血管狭心症の人が、10人に1人ぐらいいる」とのことです。


 2010年に診療ガイドラインという医師の診療マニュアルに初めて掲載されたので、やっと診断されるようになり、治療が受けられるようになってきました。


 

心筋は、全身の酸素消費量の10分の1くらいを使います。


 

冠動脈の太い所は、3分の1流れているだけ。心筋の中の細い血管に、3分の2が流れている。だから、細い血管も、実はすごく大事なのです。


 

〈微小血管狭心症の症状〉
・一般的な狭心症が70代から起こるのに比べて40代から50代の女性に多い。
・一般的な狭心症が動作時に発症するのに比べて安静時に発症。
・広範囲な胸の痛み。

・5分から半日続く。

・更年期の症状がある。


 

治療は、全体的な代謝を促す東洋医学的な治療が有効です。

 

西洋医学的にはカルシウム拮抗剤、ホルモン療法を処方されますが、薬は肝臓に負担をかけ薬害を引き起こしてしまいます。漢方薬も例外ではありません。


当院では、20年前からこれまでに原因不明の胸痛に関して鍼灸治療をしてきて、痛みを止めてその後の頻度を徐々に下げて完治するなど、効果をあげてきました。

 

その方たちがこういう診断名がついていたのかは、その当時わかるものではありませんが、副作用のない身体にとって最も自然な治療であることが言えると思います。

 

しかし、やはり養生が最も大事です。

当院では養生講座を開催していますのでご覧ください。